「これはなんだい?」
「ハイキングの歴史の本だ」
「君がハイキングに興味があるとは知らなかった」
「自分も知らなかった」
「えー」
「そもそも、戦前の野猿峠のハイキングコースの実態がまるで見えてこなかったので、いろいろ調査した結果、実は一筋縄では行かない混乱した戦前のハイキングが見えてしまった。その【見えてしまったもの】をまとめた本だ」
「何が見えたんだよ」
「健全なハイキングではない別のものさ」
「それ、ハイキングじゃないだろ」
「当時はハイキングだったのだ」
「そういう混乱はいつまであったの?」
「昭和30年代ぐらいまでは混乱していたと思う」
「へー」
「詳細は読んでくれ。ちなみにホテル野猿も登場するよ」
「なんで有名なラブホテルがハイキングに関係するんだよ」
「それは読んでのお楽しみ」